お隣サンは元彼クン
に帰ろうとも思ったんですけど家には兄貴もいるし、俺が使える部屋は昔みたいに、一部屋しかないし。作品おいたり、するんで、広い部屋が必要だったんですよ。だから、一人には、ちょっと広いこのアパートが、アトリエを兼ねて、ちょうどよかったんです。』
『そうだったの…元気で頑張ってて、おばさん、うれしっ…でも柊ちゃん、おばさんに敬語なんて使わないでいいのよ!昔の柊ちゃんのまんまでいいのよぉ!!おばさん、ずーっと会いたかったんだから。柊ちゃんに会いたかったんだから!だって柊ちゃんは、おばさんにとっての初めての息子だったんだもん。特別だったのよ!今でも…特別よっ…』
『おばさん、泣いてんの?』
『年とるとねぇ涙もろくなんのよ!ちゃんと、ごはんは食べてるの?コレ持って行きなさい!お弁当!まだあったかいから、あとで食べなさい!いいわね?あと何かあったら、いつでも差し入れするから遠慮しないでね』
『ありがと…おばさん。おばさんが泣くと俺も泣きそうに、なんじゃんか!ちょうど昼飯買いに行こうと思って外に出たトコだったから、マジラッキー。』
『じゃあまたね。』
『うん、またね、おばさん』
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