お隣サンは元彼クン
ピンポーン
玄関のチャイムがなり拓を抱っこして走って、ばぁばを迎えに行った。
『拓ーー!!持ってきたよーごめんね、遅くなって…』
『もう、あんまり遅いから心配したわよ』
『ゴメンゴメン』
母は、なぜか私の顔を見ない。


まぁいいけど…
『あれ?ねぇおべんと、1個少なくない?』
『あーあたし実は食べてきちゃって、おなかすいてないから、あんた食べちゃいなさい』
『なんだよー食べてきたのぉ?』
私はそう言って、弁当を食べ始めた。


少したってから母の視線に気付いた。
『何?食べたいの?』
私は箸で、つかんでいた唐揚げを差し出した。
『ねぇ何で、すぐに教えてくれなかったのよ。柊ちゃんの事』
私は唐揚げを落とした。

『柊二に会ったの?』
『さっき1階のトコで会った。』
『何かしゃべった?』
『まぁ色々話して、実は弁当あげちゃった』
『はぁ?何やってんのよ』
『あんたも何で黙ってたのよ!お母さんかなり、びっくりしたわよ!南にきっと会いに来たんだって、お母さん勘違いしたわよ。そしたら隣に住んでるって言うし』
『電話で言おうかとも思ったんだけど、夜は司いるし…できなかった』
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