お隣サンは元彼クン
『拓、拓、いや…しっかりして、どうしよ』
たしか、けいれんの時は、あせらず、けいれんがおさまるのを待つって何かに書いてあった。
けど、あせるよ、だって拓死んじゃいそう、えっとえっと救急車、でも病院歩いて5分のトコだし、そのまま連れていこ。けいれんもおさまったっぽい。けど、かなりきつそう
窓の外をみると、雨がふっていた。
なんで、こんな時に…
泣きそうになった。
泣いてちゃダメだ。お母さんなんだから拓を守れるのは、今あたししかいない

とりあえず、拓を抱きかかえ、バッグを持ち玄関に急いだ。
鍵をかける手が震えていて、なかなか上手くかけれない。


その時、柊二が玄関を開けて出てきた。

『柊二…』
あたしは、そう言うと目から涙が、どっとあふれてきた。
『どうしたんだよ、おい、南?しっかりしろって、泣いてちゃわかんねぇだろ!』
『拓が熱で…病院連れていこと…おもっおもって』
泣きながら説明した。
『けいれんとか、さっきあって…びっくりして』
『お前、この雨ん中傘さして行くつもりだったの?バカかお前は。余計、熱あがんぞ!…俺が車で連れてく』
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