お隣サンは元彼クン
バナナケーキの日
『南、拓も無事よくなったし、改めて前田さんに、なんか、お礼したが、よくないか?』
朝から、司が言う。
『あーそーね』
あんまり、お礼とか考えてなかった私。
『菓子折りなんかでもいいと思うぞ。南も何かあったら考えとけよ』
『うん、わかった』


菓子折りねぇ柊二、あんまそういうの食べなかったもんな…
『あー司、今日ゴミ出しだからね!』
そう言ってカレンダーを見た瞬間、あっ…て思った。


今日は柊二の誕生日だ…


毎年、柊二の誕生日にはバナナケーキを焼いていた。
バナナケーキは柊二の大好物で、どんな高級なデコレーションケーキよりも、南の作るバナナケーキが好きだと昔言われ、誕生日前になると、今年もバナナケーキ頼むな!ってよく柊二言ってたっけ。


バナナケーキなら拓も食べれるし、久々焼いてみっかな!!


柊二と別れてから、なんとなく思いだすからバナナケーキを作るのは、避けてた。


『素晴らしい!』
思わず声がでた。
10年のブランクを感じさせない、この、しっとりとした焼き加減…
ろうそく、うち確かあったよね〜3本しかないけど、まぁいっか☆
よし、拓連れて隣にレッツゴーだ!
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