お隣サンは元彼クン
『森山さん、すいませんでした』
『えっどういう事なんですか?急に謝られても、僕はあまり状況がのみこめていなくて…』
『全て僕のせいなんです。南…さんとは、実は昔付き合っていました。家族ぐるみの付き合いだったので、僕の父も母も、南さんとは、すごく仲がよかったんです。もう10年も前の事ですが…。10年前に別れてからは一度も会った事はなくて、結婚してる事も、もちろん知りませんでした。引っ越しの挨拶に行った日、本当にびっくりしました。こんな偶然あるのかよと。
そして僕から南さんに口止めをしました。
ただの同級生って旦那さんには言ってくれと。
付き合ってたなんて言わないでほしいと。
僕が頼みこんだんです。

『なぜですか?』
『僕のワガママです。お隣りさんと何かギスギスした関係になりたくなかった。今は何もないのに、余計な心配はかけたくなかった。二人には幸せでいてほしかったから…これが僕の理由です。全て言い訳になってしまって本当にすいません』
『頭あげて下さい。もう、わかりましたから。正直に話て下さって…しかも、こんな日に。こっちこそ、すいません。正直、あなたからも妻からも嘘をつかれていた事は
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