お隣サンは元彼クン
ショックです。
夫婦間の中では嘘はないと思ってましたから。
でも、あなたの気持ちも男としてわかります。
僕があなたの立場で、隣に昔の彼女が引っ越してきたら、同じように言ったと思います。妻と僕の関係も壊したくないし、妻と、お隣さんが仲が悪いのもイヤだから、僕も昔の彼女に口止めします。たぶん。
なので、今回の事は水に流します。安心して下さい。南にも、この事で責めたりはしませんから。』
『ありがとうございます』
『前田さん、1つだけ聞いても、いいですか?』
『はい』


『今でも南の事が好きですか?』


『…好きです。俺の中では誰よりも大切な女性です。それは昔も今も変わりません。
だから、森山さんも拓くんも俺にとっては大切な存在です。大切な人の大切な人ですから。南には、ずっと笑っててほしいんです。』

『あなたは正直な人ですね。でも僕はあなたの事を信じますよ。南の事も信じてます』


『すいません、ありがとうございます…森山さん』


私は、外で、どんなやり取りが行われているんだろうと不安だった。

待つしかなかった。

恐かった。
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