お隣サンは元彼クン
『ねぇよ』
『わかるもんあたし』
『何でお前が、わかるんだよ』

それから今までたまってたウップンが、全て口からでた。
これ以上言ったらダメだって思ったのに泣きながら口は動いていた。
最低なワガママ女みたいに嫌な言葉をいっぱい言った。

長い沈黙があり、柊二は辛そうな顔をして言った。
『言いたい事は、それだけか』

私は黙っていた。
また長い沈黙。

『あのさ…俺達、距離おかねぇ』

その言葉が返ってくるとは思ってなかった。

そのまま私たちは、距離をおいた。
連絡をしなくなった。
昔ならケンカしても同じ学校だったし会ったら、すぐ仲直りできてたのに…全く会えなかった。
何度か柊二の家の前まで行ったけど勇気がなくて行けなかった。


結局、そのまま別れた。


風の噂で、そのあと柊二は東京の美大に行ったと聞いた。

成人式の日、同窓会で柊二を見たけど、すごく大人になってた気がして、あたしの知ってる柊二じゃない気がして、目を合わせようとしなかった。

それから5年。私たちは25になった。
私は結婚し出産し。あっという間の5年間だった。
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