ありえない彼氏
それが嬉しくて自然と頬が緩む。

翔太は自分のポケットに手を突っ込むと、事の発端の写真を出した。

「ちゃんと写真もらえたよー。二人ともよく頑張ったなって褒めてくれた。」


嬉しそうに笑う翔太に対し、私は少し膨れっ面になる。

…“頑張ったな”って言うのはたしかにそうだと思う。

事実だし、私も二人に翔太が褒められて嬉しい。

………でも…!


「…あれ、俺怒らした…?」

私の顔を見て、翔太は不安そうに表情を変える。


私は翔太から顔を背けながら小さくぼやいた。


「…写真じゃなくたって、本人がここにいるじゃない……。」


たしかに写真の方は化粧もしてるし髪もきれいにセットされて、おまけに可愛いドレスも着てるけど、もとは私。

…なんか、写真に負けたみたいなんだもん……。



すると翔太はキョトンとした後、にっこり笑うと「かわいーっ」と抱きついてきた。



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