ありえない彼氏

ありえない彼氏の優しさ

―――バァァン!!

突然響く大きな音に、教室内にいる人たちの視線が集中する。

その先では我らがリーダーの委員長が机に手をついて教室を見回していた。

「全員ちゅうもーく!!!」

すでにみんなが委員長に注目している中、委員長は大声で叫ぶ。

「…委員長ウルサイ…。」


隣で私の手で遊んでいた翔太がボソッと呟くが、それは委員長には聞こえていない。

……委員長、手痛くないのかなー…。


そんなことを思いながら私は委員長を見る。

「全員忘れたとは言わせない。この間の体育祭で俺らのクラスは惜しくも二位だった!」


くっ…と本気で悔しそうに話す委員長。


途中一位だった私たちのクラスは最後の最後で、スポーツ大会のバスケで私たちが勝利した3年生のクラスに逆転勝ちされたのだ。
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