ありえない彼氏
「いいんちょー、どういうこと?」

斉藤くんが「はーい」と手をあげながら言う。

「ちゃんとお互いが仲良かったっていう思い出を作るってこと。高校になったら一緒に写真撮る機会とかあんまねーだろ?だから。」

単純な私たちのクラスは「おぉっ」と感嘆の声を上げ、すぐさま賛成となり準備が始まった。


みんなが準備をしている中、私は佳織と買出しに出ていた。

必要なものを買って帰る時に、男性物を取り扱うお店の前を通りかかり、おもわず足を止める。

「由香ー?どうしたの?」


佳織は突然立ち止まった私を不思議そうに見て、そして私の視線の先を見て「あぁ」と声を漏らした。

「…天宮の誕生日?」

「……うん…。」




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