ありえない彼氏
「由香ー帰ろー。」

翔太が自分の担当を終わらせて近寄ってくる。

手には鞄を持ち、すぐに帰れる状態だ。


「え…あっ、ちょ、ちょっと待って!」

(だめだ…!プレゼントのこと考えすぎて全然作業進んでない!)

テーブルに飾る用の造花を20個作らなければならないのに、目の前には数個の造花があるだけ。


「ごめん!すぐ終わらせるから!」

慌てて作業を進めると、翔太は隣の椅子に座り、一緒になって造花を作り始めた。

驚きながら翔太を見ると、器用に造花を作っている。


「由香が作業遅いなんて珍しいねー。」


そう言いながら怒ることもなく、楽しそうに作業を続ける翔太。

もともと器用なのか素早く綺麗に造花を作る。

そしてすぐに終わらせると「帰ろっか」と手を差し出してきた。

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