ありえない彼氏
「おかえりー♪」


佳織が楽しそうに笑いながら二人に声をかける。

斉藤くんは「おう」と短い返事をしてから佳織の隣に座り、翔太は真っ先にこちらに飛んできた。


「由香ー!ただいまぁ~!」

「きゃああ!!」


思いきり抱きつかれ、つい叫んでしまうと、翔太は叫ばれると思わなかったのか、少し傷ついたような表情をした。



「由香に…叫ばれた……。俺、委員長じゃないのに……。」

「あははははっ!!天宮、叫ばれてやんの!!」


その隣では佳織が大声で笑い、それをジロリと翔太が睨んだ。


「ご、ごめ……そんなつもりじゃ……。」


拗ねたのか、翔太は私とは反対の方向を向きながら椅子に座ってしまった。

佳織はまだ笑い続けている。


……だから誰のせいだ!コノヤロー!!

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