ありえない彼氏
「…由香って首と耳、弱いよね……。」

「…!!」


そう言うと、翔太はかぷっと耳たぶを甘噛みした。


「あ……っ」


手の隙間から漏れてしまった声。

赤くなった私を見ると、翔太はふにゃっと笑った。


「由香の弱いとこ、知っちゃったっ。…続きは、また今度ね?」

「~~~…っ!!」


耳元で甘く囁くと部屋から出て行こうとする翔太。

私は反射的に翔太の手を握った。


「……由香?」


翔太が不思議そうに振り向く。

視線を合わせて首を少し傾けながら見つめられる。



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