ありえない彼氏
「あ…っ!!」


ふと外を見ると、静かに雪が降っていた。

それに気づいた三人もすぐに窓の傍までやってくる。


「ホワイトクリスマスだね~。」


いつの間にか隣に来ていた翔太が抱きつきながら楽しそうに言う。


佳織と斉藤くんは雪に集中していて、私たちには見向きもしない。


そっと回された腕に触れると、幸せそうにふにゃっと笑った翔太が顔を覗きこんでくる。

ゆっくりと目を閉じると、優しく触れる温かな唇。


私たちは静かに降る雪を前にこっそりとキスを交わした。


「来年は、絶対に二人きりで過ごそうね。」

「…うんっ。」



これからも二人一緒にいられますように…。



そう願いを込めて―――。




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