ありえない彼氏

「ケンカでもしたの?部活がない日に一緒にいない由香と天宮なんて気味が悪いんだけど。」

「………」


佳織のその言葉に、私はますますムスッとする。


別にケンカをしたわけじゃ、ない。

私だって翔太と一緒にいたいけど……。


「大体、今日は天宮はどうしたの?由香がいないんじゃ、あいつ今頃…」

「…出かけたよ。」

「え?」

「出かけたの。朝早くから。」

「はぁ?」


佳織が“信じられない”とでもいいたげな表情で私を見る。


それにはちゃんと理由があって、

自分で言うのもあれだけど、翔太が外出するときは99%私が一緒にいるから。

そんな翔太が数少ない部活休みに、私以外の人と出かけていることが佳織には信じられないみたい。


…でも私、見て聞いたんだよ。

ちゃんとこの目で。



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