ありえない彼氏
「ば……バカ……。」

私は肩で息をし、目を潤ませながら翔太を見つめる。

翔太は満足そうに笑うとコテンとベッドに寝転がった。

「あー…頭痛い……。」

「…だったらあんなキスしないのっ!」


荒い呼吸を整えながら言うと、「だってぇー……」と言いながら少し不貞腐れた顔をする。


「俺のために色々してくれる由香が可愛すぎたんだもん……。」

「……っ!」

「……キス、嫌だった……?」


熱のこもった瞳の上目遣いで見つめられる。

私はきゅっと翔太の手を握るとボソッと呟いた。



「……嫌なわけ、ないじゃない……。」






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