ありえない彼氏
翔太はふにゃっと笑うと、私の手を握り返した。

「…由香の作ったごはん食べたいな…。」

「…おかゆでいい?今日暑いけど…。」

「由香が作ったものなら何でもいい…。」


私はくすっと笑うと一階に行き、手早くおかゆを作る。

一応薬を一緒に翔太のもとへ持っていくと、翔太はきれいに完食して、嫌々ながらも薬を飲むとすぐに規則正しい呼吸をしながら寝た。


時計を見ると、まだ昼すぎで。

……暇だなぁ…。

翔太の顔にかかった髪をはらいながら、どうしようかと考える。


「…あ、そうだ。」


私はそっと部屋を出ると一階の台所まで行き、冷蔵庫を開けると、中身を覗いた。

…うん。ちゃんと必要な材料は揃ってる。
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