ありえない彼氏
それからというもの、

何度も抱きついてこようとする翔太はその度に抑えられ、「これくらいいいじゃんかー!」と叫んでは“写真”のことを言われ、おとなしくなっていた。






「……ねぇ佳織。写真って何の写真?」


昼休み。


バスケ部のミーティングがあると言って部室に行ってしまった翔太と斉藤くんをほっておき、久しぶりに佳織とお弁当を食べながら私は尋ねた。

すると佳織はニヤッと笑うと、ポケットから写真を取り出し、「コレよ」と私の目の前に置いた。


「……なっ…!!」


それは去年の文化祭の写真で、なぜか薄ピンクの可愛らしいドレスを着た私が笑っている写真だった。

< 83 / 199 >

この作品をシェア

pagetop