俺の彼女はインベーダー
第1章 銀色の侵略者
それは俺がまだ神様を信じていなかった頃。昔、なんかそんな歌があったな。
高校時代の我が身の行いの当然の報いとはいえ、受けた大学に全部落っこちて予備校通いをしている身の俺にとっては、この世に神も仏もあったもんじゃなかった。しかし神様より先に宇宙人の存在を、これはもう、信じざるを得ない状況に陥ってしまったのだから、人生一寸先は闇とはよく言ったものだ。
東京の下町にある全国的に有名な予備校に通うため、両親は近くに俺のアパートを借りてくれた。実家からだと電車で1時間半ぐらいの距離だから実家から通えないこともないのだが、俺が「一分一秒を惜しんで勉強したいから」という心にもない事を言って、そうしてもらった。実家を早く出たい訳があったのだ。
浪人生活は憂鬱ながらも、夏休み直前で浮かれていたのか(ちなみに予備校にも短いが一応夏休みはある)、近所のコンビニから自転車に乗ってアパートに戻っていた俺は、停止も減速もせずに十字路を曲がってしまい、その「何か」と正面衝突してしまった。
それは赤い光の球に見えた。直径数メートルはありそうな赤い光の球に見えた。きっと大型トラックのヘッドライトだろうと俺はその時思った。そして自分の体が自転車ごと宙に浮き上がるのを感じた。
「東京で予備校生、トラックにはねられ即死」
そんな見出しで明日の新聞に俺の名前が載るのかな?そんなどうでもいい事が脳裏をよぎった。思えば短い一生だったなあ。せめて三流でもいいから大学生になってから死にたかった・・・
なんて事を考えながら、それにしては痛くも苦しくもないので目を開けてみると、俺の体は目がくらむような赤い光の中で、文字通り、宙に浮いていた!
「申し訳ない事をした……」
高校時代の我が身の行いの当然の報いとはいえ、受けた大学に全部落っこちて予備校通いをしている身の俺にとっては、この世に神も仏もあったもんじゃなかった。しかし神様より先に宇宙人の存在を、これはもう、信じざるを得ない状況に陥ってしまったのだから、人生一寸先は闇とはよく言ったものだ。
東京の下町にある全国的に有名な予備校に通うため、両親は近くに俺のアパートを借りてくれた。実家からだと電車で1時間半ぐらいの距離だから実家から通えないこともないのだが、俺が「一分一秒を惜しんで勉強したいから」という心にもない事を言って、そうしてもらった。実家を早く出たい訳があったのだ。
浪人生活は憂鬱ながらも、夏休み直前で浮かれていたのか(ちなみに予備校にも短いが一応夏休みはある)、近所のコンビニから自転車に乗ってアパートに戻っていた俺は、停止も減速もせずに十字路を曲がってしまい、その「何か」と正面衝突してしまった。
それは赤い光の球に見えた。直径数メートルはありそうな赤い光の球に見えた。きっと大型トラックのヘッドライトだろうと俺はその時思った。そして自分の体が自転車ごと宙に浮き上がるのを感じた。
「東京で予備校生、トラックにはねられ即死」
そんな見出しで明日の新聞に俺の名前が載るのかな?そんなどうでもいい事が脳裏をよぎった。思えば短い一生だったなあ。せめて三流でもいいから大学生になってから死にたかった・・・
なんて事を考えながら、それにしては痛くも苦しくもないので目を開けてみると、俺の体は目がくらむような赤い光の中で、文字通り、宙に浮いていた!
「申し訳ない事をした……」