俺の彼女はインベーダー
「あら?ずいぶん近くで止まったわね。私の大先輩方が驚いて起きちゃわないといいけど」
「どこなんですか?」
そう尋ねる俺に二尉は肩越しにスマホの画面を突き出す。赤い三角形が画面に表示された地図の一点を指している。二尉は事もなげに言った。
「すぐそこ。靖国神社よ」
それから二尉のこれでもかあっ!てぐらい乱暴な運転に座席の上で振り回されながら、俺と麻耶は必死で彼女から情報を引き出そうとした。
「あの、桂木さんでしたっけ。あぐ。どのぐらい前から、ぐげ、俺たちの事を知ってたんですか?」
「君たちが国連本部ビルで演説やった直後からよ。国連から日本政府にも協力の要請が来て、まあ、自衛隊の領分だしね、そういう事は」
「あの、ラミちゃんがさらわれる直前、あなたと兄貴が宙に浮いたのって、あちゃ、舌噛んだ、あれは何なのよ?あの時『まさかテレキネシス』とか言ってなかった?」
「本当にそうかどうか、それはまだ分からないけど。超能力の一種じゃないかと思うわけ。テレキネシス、サイコキネシス、日本語では念力、念動力。聞いたことぐらい無い?心の中で念じるだけで手も触れずに物体を動かす力。おっと」
二尉がまた急に大きくハンドルを切り、車は靖国神社の入り口の大鳥居を抜けた。だが、拝殿へ通じる道ではなく、向かって左手の細い道に入っていく。ものの一分で車が通り抜けられない木の門の前に着き、俺たちの体が盛大に前につんのめる程の急ブレーキで車を停めた二尉は素早く外へ飛び出した。俺と麻耶もあわてて後を追う。
そこは神社の拝殿の裏手にあたる場所のようだった。けっこう大きな池があって、池の向こう岸にはなんともレトロな木造の小さな建物が二つ三つ並んでいる。どうも茶室らしい。へえ、靖国神社にこんな場所があったのか。
池のこちら側には小さなベンチがいくつも並んでいて、そしてラミエルはそこにいた。ベンチの間にお花見に使うようなレジャーシートが広げられていて、ラミエルはその上にぐったりと横たわっていた。どうやら気を失っているらしい。
「どこなんですか?」
そう尋ねる俺に二尉は肩越しにスマホの画面を突き出す。赤い三角形が画面に表示された地図の一点を指している。二尉は事もなげに言った。
「すぐそこ。靖国神社よ」
それから二尉のこれでもかあっ!てぐらい乱暴な運転に座席の上で振り回されながら、俺と麻耶は必死で彼女から情報を引き出そうとした。
「あの、桂木さんでしたっけ。あぐ。どのぐらい前から、ぐげ、俺たちの事を知ってたんですか?」
「君たちが国連本部ビルで演説やった直後からよ。国連から日本政府にも協力の要請が来て、まあ、自衛隊の領分だしね、そういう事は」
「あの、ラミちゃんがさらわれる直前、あなたと兄貴が宙に浮いたのって、あちゃ、舌噛んだ、あれは何なのよ?あの時『まさかテレキネシス』とか言ってなかった?」
「本当にそうかどうか、それはまだ分からないけど。超能力の一種じゃないかと思うわけ。テレキネシス、サイコキネシス、日本語では念力、念動力。聞いたことぐらい無い?心の中で念じるだけで手も触れずに物体を動かす力。おっと」
二尉がまた急に大きくハンドルを切り、車は靖国神社の入り口の大鳥居を抜けた。だが、拝殿へ通じる道ではなく、向かって左手の細い道に入っていく。ものの一分で車が通り抜けられない木の門の前に着き、俺たちの体が盛大に前につんのめる程の急ブレーキで車を停めた二尉は素早く外へ飛び出した。俺と麻耶もあわてて後を追う。
そこは神社の拝殿の裏手にあたる場所のようだった。けっこう大きな池があって、池の向こう岸にはなんともレトロな木造の小さな建物が二つ三つ並んでいる。どうも茶室らしい。へえ、靖国神社にこんな場所があったのか。
池のこちら側には小さなベンチがいくつも並んでいて、そしてラミエルはそこにいた。ベンチの間にお花見に使うようなレジャーシートが広げられていて、ラミエルはその上にぐったりと横たわっていた。どうやら気を失っているらしい。