俺の彼女はインベーダー
背の高い髪の長い方の宇宙人がラミエルに向かって言う。
「どうやら記憶を消去されているという軍の説明は本当ですのね。まあ、誇り高きわたくしたちの故郷、惑星イケスカンダルの名に泥を塗ったのですから、当然ですが」
ラミエルは当然何の話だか分からない。救いを求めるように俺の腕にすがりついて目で何かを訴えかけているが、ここでちょちょいと説明できるほど単純な話じゃないしな。
それにしても、ラミエルの惑星の名前は「イケスカンダル」と言うのか。これは俺も初めて知った。初めて聞いたはずなのだが……妙にしっくり来る名前のような気がするのは何故だろう?彼女、と言うべきなんだろうな、その宇宙人の女は東屋の方のもう一人の宇宙人に凛とした声で命じた。
「記憶を戻して差し上げなさい。このままでは、弱い者いじめになってしまってよ」
「分かりました、おねえさま」
しかし背の高い方の宇宙人は妙に言葉遣いが上品だな。どこかのお嬢様という感じだ。それにちっこい方は「おねえさま」と呼んでいるが、この二人姉妹なのか?それにしちゃあまり似てないな。まあ、これは俺と麻耶もそうだが。
そのツインテールの宇宙人、いやイケスカンダル人の少女は右手をラミエルの方に向けて伸ばし、それから目を閉じて何か祈りを捧げているかのような表情になった。途端にラミエルが両手で頭を抱えて苦しそうなうめき声を上げ始めた。麻耶がラミエルを抱きかかえてそのちっこ方のイケスカンダル人に向かって怒鳴る。
「ちょっと、あんた!ラミちゃんに何をしたのよ?兄貴、止めて!」
言われるまでもない。俺はそのツインテールの宇宙人めがけて猛然とダッシュした。だが、ほんの2メートル駆けだした所で俺は何か見えない壁に突き当たったかのようにそれ以上前に進めなくなってしまった。
俺は周囲を見渡したが、UFOらしき物は視界の中には見当たらない。国連本部に乗り込んだ時ラミエルが使ったバリアではない。引き返そうとしたが、それも出来なかった。俺の体全体が無数の見えない手で押さえつけられているみたいに身動きすら出来ない。
「どうやら記憶を消去されているという軍の説明は本当ですのね。まあ、誇り高きわたくしたちの故郷、惑星イケスカンダルの名に泥を塗ったのですから、当然ですが」
ラミエルは当然何の話だか分からない。救いを求めるように俺の腕にすがりついて目で何かを訴えかけているが、ここでちょちょいと説明できるほど単純な話じゃないしな。
それにしても、ラミエルの惑星の名前は「イケスカンダル」と言うのか。これは俺も初めて知った。初めて聞いたはずなのだが……妙にしっくり来る名前のような気がするのは何故だろう?彼女、と言うべきなんだろうな、その宇宙人の女は東屋の方のもう一人の宇宙人に凛とした声で命じた。
「記憶を戻して差し上げなさい。このままでは、弱い者いじめになってしまってよ」
「分かりました、おねえさま」
しかし背の高い方の宇宙人は妙に言葉遣いが上品だな。どこかのお嬢様という感じだ。それにちっこい方は「おねえさま」と呼んでいるが、この二人姉妹なのか?それにしちゃあまり似てないな。まあ、これは俺と麻耶もそうだが。
そのツインテールの宇宙人、いやイケスカンダル人の少女は右手をラミエルの方に向けて伸ばし、それから目を閉じて何か祈りを捧げているかのような表情になった。途端にラミエルが両手で頭を抱えて苦しそうなうめき声を上げ始めた。麻耶がラミエルを抱きかかえてそのちっこ方のイケスカンダル人に向かって怒鳴る。
「ちょっと、あんた!ラミちゃんに何をしたのよ?兄貴、止めて!」
言われるまでもない。俺はそのツインテールの宇宙人めがけて猛然とダッシュした。だが、ほんの2メートル駆けだした所で俺は何か見えない壁に突き当たったかのようにそれ以上前に進めなくなってしまった。
俺は周囲を見渡したが、UFOらしき物は視界の中には見当たらない。国連本部に乗り込んだ時ラミエルが使ったバリアではない。引き返そうとしたが、それも出来なかった。俺の体全体が無数の見えない手で押さえつけられているみたいに身動きすら出来ない。