俺の彼女はインベーダー
まず桂木二尉が自動小銃をフルオートでぶっ放す。細身だがわりと短い銃身のM4カービンという名の自動小銃で、下に突き出ている細長いマガジンには30発の弾丸が入っていて、これを数秒で撃ち尽くす。
予想通り、全ての弾丸はサチエルの目の前で、まるで時間が止まったかのように空中で静止し、それからパラパラと地面に落ちた。その間に彼女の横手に回り込んでいた俺が、伸縮式の金属の警棒を持って突進した。しかし、これまた予想通りサチエルが掌を俺に向けると見えない壁に突き当たったかのように、それ以上一歩も進めなくなってしまう。
桂木二尉が自動小銃を投げ捨て、自動拳銃を取り出してサチエルに狙いをつけ、引き金を引く。やはりサチエルは余裕の笑みさえ浮かべて弾丸を空中で停めた。そして二尉は、顔も体も、その視線さえサチエルの方に向けたまま、拳銃を持った右腕だけを目にも止まらぬ速さで横に向けた。その銃口の先にはユミエルがいた。
一瞬のためらいもなく、二尉は引き金を引いた。同時に俺の体を押さえつけていた力が消えた。そしてサチエルの姿も魔法のように俺の視界から消失した。
「うっ!」
といううめき声がした方に目をやると、サチエルがユミエルの前で左肩を押さえながら立っていた。
「おねえさま!」
叫ぶユミエルにサチエルが視線を俺たちに向けたまま応える。
「大丈夫。かすっただけですわ」
彼女たちの方にゆっくりと歩み寄りながら、拳銃を水平に前に突き出したままの二尉が怖いぐらいに冷静な口調でつぶやく。
「やはりね。そちらのお嬢さんはテレパシー使いだから、弾丸を停めるほどの力はないようね」
俺は心の中でちょっと感心していた。能天気でとぼけた人だと思っていたが、さすがは現役の自衛隊員だ。あのマクスウェルの魔女コンビ、一見無敵に見えるがそういう弱点があったわけだ。強力なテレキネシスを持たないユミエルを集中攻撃すれば、サチエルもいつまでも守りきれない。
予想通り、全ての弾丸はサチエルの目の前で、まるで時間が止まったかのように空中で静止し、それからパラパラと地面に落ちた。その間に彼女の横手に回り込んでいた俺が、伸縮式の金属の警棒を持って突進した。しかし、これまた予想通りサチエルが掌を俺に向けると見えない壁に突き当たったかのように、それ以上一歩も進めなくなってしまう。
桂木二尉が自動小銃を投げ捨て、自動拳銃を取り出してサチエルに狙いをつけ、引き金を引く。やはりサチエルは余裕の笑みさえ浮かべて弾丸を空中で停めた。そして二尉は、顔も体も、その視線さえサチエルの方に向けたまま、拳銃を持った右腕だけを目にも止まらぬ速さで横に向けた。その銃口の先にはユミエルがいた。
一瞬のためらいもなく、二尉は引き金を引いた。同時に俺の体を押さえつけていた力が消えた。そしてサチエルの姿も魔法のように俺の視界から消失した。
「うっ!」
といううめき声がした方に目をやると、サチエルがユミエルの前で左肩を押さえながら立っていた。
「おねえさま!」
叫ぶユミエルにサチエルが視線を俺たちに向けたまま応える。
「大丈夫。かすっただけですわ」
彼女たちの方にゆっくりと歩み寄りながら、拳銃を水平に前に突き出したままの二尉が怖いぐらいに冷静な口調でつぶやく。
「やはりね。そちらのお嬢さんはテレパシー使いだから、弾丸を停めるほどの力はないようね」
俺は心の中でちょっと感心していた。能天気でとぼけた人だと思っていたが、さすがは現役の自衛隊員だ。あのマクスウェルの魔女コンビ、一見無敵に見えるがそういう弱点があったわけだ。強力なテレキネシスを持たないユミエルを集中攻撃すれば、サチエルもいつまでも守りきれない。