俺の彼女はインベーダー
赤。真っ赤。血……そうだ!血!
「うわああああああ!」
俺は今さらながら絶叫を上げてラミエルに駆け寄った。地面に力なく横たわっているラミエルの上半身を抱き起こす。ラミエルの頭と肩のあたりに透明なゼリーみたいな大きな物が張り付いている。テレビか何かで見た事があった。戦場で負傷した兵隊の応急止血のために張り付ける物だ。どうやら、桂木二尉がとっさに応急手当をしておいてくれたらしい。
ラミエルの体はまだ温かく、口元に手をあてると呼吸もしているのは分かった。出血はもう止まっていたが、ラミエルの体の周りには血だまりと言っていいほどの大量の血液が流れ出していた。人間なら、地球人なら、出血多量で死んでもおかしくない量だ。だったら宇宙人だって同じだろう。
ラミエルを抱きかかえたまま茫然自失している俺のすぐ横に、ここまで乗って来たバンを二尉が運転してきた。ハッチバックのドアを開け、俺を急かしてラミエルを中に運び込ませる。麻耶もよろよろとした足取りで車体にもたれてそれを見つめている。
二尉は銀白色のスーツケースを開き、中から試験管みたいな道具をいくつか取り出し、ラミエルの血液を吸い上げて何か調べ始めた。やがて俺と麻耶に怒鳴るように質問する。
「早太君、麻耶ちゃん!あなたたち、血液型は?」
「あ、あたしはA」
麻耶が面くらって反射的に答えた。俺も震える唇を噛みしめて答える。
「俺はBですけど」
二尉はプラスチックの細い容器から取り出した紙切れみたいな物を見つめながら言った。
「私はAB。ラミエルさんの傷はそれほど深くはないわ。でも出血がひど過ぎる。救援のヘリが向かっているけど、間に合わない可能性があるわ。そしてラミエルさんの血液型はB。この中で輸血出来るのは早太君だけね」
「今ここで、輸血出来るんですか?」
俺も我を忘れて大声で叫んだ。二尉はうなずきながら言った。
「万が一に備えて輸血用の機械は積んであるし、あたしは応急処置が出来る資格を持っている」
「うわああああああ!」
俺は今さらながら絶叫を上げてラミエルに駆け寄った。地面に力なく横たわっているラミエルの上半身を抱き起こす。ラミエルの頭と肩のあたりに透明なゼリーみたいな大きな物が張り付いている。テレビか何かで見た事があった。戦場で負傷した兵隊の応急止血のために張り付ける物だ。どうやら、桂木二尉がとっさに応急手当をしておいてくれたらしい。
ラミエルの体はまだ温かく、口元に手をあてると呼吸もしているのは分かった。出血はもう止まっていたが、ラミエルの体の周りには血だまりと言っていいほどの大量の血液が流れ出していた。人間なら、地球人なら、出血多量で死んでもおかしくない量だ。だったら宇宙人だって同じだろう。
ラミエルを抱きかかえたまま茫然自失している俺のすぐ横に、ここまで乗って来たバンを二尉が運転してきた。ハッチバックのドアを開け、俺を急かしてラミエルを中に運び込ませる。麻耶もよろよろとした足取りで車体にもたれてそれを見つめている。
二尉は銀白色のスーツケースを開き、中から試験管みたいな道具をいくつか取り出し、ラミエルの血液を吸い上げて何か調べ始めた。やがて俺と麻耶に怒鳴るように質問する。
「早太君、麻耶ちゃん!あなたたち、血液型は?」
「あ、あたしはA」
麻耶が面くらって反射的に答えた。俺も震える唇を噛みしめて答える。
「俺はBですけど」
二尉はプラスチックの細い容器から取り出した紙切れみたいな物を見つめながら言った。
「私はAB。ラミエルさんの傷はそれほど深くはないわ。でも出血がひど過ぎる。救援のヘリが向かっているけど、間に合わない可能性があるわ。そしてラミエルさんの血液型はB。この中で輸血出来るのは早太君だけね」
「今ここで、輸血出来るんですか?」
俺も我を忘れて大声で叫んだ。二尉はうなずきながら言った。
「万が一に備えて輸血用の機械は積んであるし、あたしは応急処置が出来る資格を持っている」