俺の彼女はインベーダー
 部屋に戻ってラミエルを見て、改めて驚いた。黄色いキャミソールに夏用カーディガン、下はジーンズのミニスカートと青いソックスといういでたちだったが、どこからどう見ても地球人、それも普通の女子高生ぐらいの女の子にしか見えない。髪の色さえ違わなければその辺の女子高生です、と言われて誰も疑わないだろう。
 麻耶が得意げな顔で「どう、似合うでしょ?ラミちゃん、着心地はどう?」
 宇宙人の美少女はひとしきり手足を曲げたり、広げたり、クルクル回したりした後で上機嫌で答えた。
「初めて着ましたけど、とても快適です。ありがとう麻耶さん」
「麻耶だけでいいわよ。ラミちゃんの方がお姉さんなんだし」
「でも、これからお世話になる方にそれでは……」
「じゃあ、麻耶ちゃん。ちゃん付けでいいよ。あたし堅苦しいのは嫌いだし」
「では麻耶ちゃん。あの、ひとつだけいいですか?」
「ん?何?」
「あの、この服、着心地は良いのですが……少し胸が窮屈と言うか、苦しいんですが……あ、でも我慢できないほどじゃないですから、今夜はこれで大丈夫です」
「あら、そう。じゃあ、明日にでもサイズの合う服買いに行こうね」
 俺は見逃さなかった。
 にっこり微笑みながらそういう妹のこめかみが微妙にピクリと痙攣したのを。気にするな、妹よ。お前だって立派なもんだと思うぞ、身内の贔屓目を除いても。彼女の方が上なだけだ。さすがは宇宙人……何がさすがなのかは分からないが。
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