俺の彼女はインベーダー
ああ、もうこの人はまた余計な事を。俺は服の背中からハリセンを無言で抜き出して、二尉の頭のてっぺんに叩きつけた。
タイミングを計っていたかのように見事に同時に、5本のハリセンが桂木二尉の頭に炸裂した。ん?5本?また一本増えてるな。そのハリセンの先を見渡す。俺、麻耶、ラミエル、サチエル、そして……最後のハリセンはユミエルだった。ううん、とうとうこの子までハリセン持ち歩くようになっていたか。
「ああん!なにも全員でよってたかってハリセンでぶたなくても~」
頭を抱えてうずくまった二尉にユミエルが容赦ないツッコミを入れた。
「海でも山でも、どっちでもいいじゃないですか!せっかく元の場所に戻る気になってくれてるのに!」
俺もここは応援のツッコミを入れておく事にした。
「そうですよ!だいたい、あんなのに裏山に住みつかれたら近所迷惑でしょうが!」
それから俺はユミエルの方に向き直って頼んだ。
「ユミエル、もう一度君のテレパシーを使ってくれないか?あいつにこのまま海に帰ってもらうんだ」
さっきの事があったためか、ユミエルは一瞬顔に引きつった表情を浮かべたが、気を取り直してうなずいた。
「は、はい。なんとかやってみます」
ユミエルは波打ち際に走り寄り、砂浜にひざまずいて両手を合わせ巨大生物にテレパシーを送り始めた。引きつった頬笑みを浮かべて必死にやつに訴えかける。
「あ、あの、何でもないんです……そのままお帰り下さい」
「小夜もお手伝いする~」
小夜ちゃんがユミエルのそばに駆け寄り、同じように砂浜にひざまずいて巨大生物に向けて語りかけた。
「魔神様、どうかおうちへお帰り下さい」
どっちの祈りが通じたのかは分からないが、巨大生物は「ガウッ」と小さな、うなずくような声を上げて、そのまま海の中へ消えて行った。その全身が水中に沈み影も見えなくなるまで、俺たちは海面を見つめ続けていた。
タイミングを計っていたかのように見事に同時に、5本のハリセンが桂木二尉の頭に炸裂した。ん?5本?また一本増えてるな。そのハリセンの先を見渡す。俺、麻耶、ラミエル、サチエル、そして……最後のハリセンはユミエルだった。ううん、とうとうこの子までハリセン持ち歩くようになっていたか。
「ああん!なにも全員でよってたかってハリセンでぶたなくても~」
頭を抱えてうずくまった二尉にユミエルが容赦ないツッコミを入れた。
「海でも山でも、どっちでもいいじゃないですか!せっかく元の場所に戻る気になってくれてるのに!」
俺もここは応援のツッコミを入れておく事にした。
「そうですよ!だいたい、あんなのに裏山に住みつかれたら近所迷惑でしょうが!」
それから俺はユミエルの方に向き直って頼んだ。
「ユミエル、もう一度君のテレパシーを使ってくれないか?あいつにこのまま海に帰ってもらうんだ」
さっきの事があったためか、ユミエルは一瞬顔に引きつった表情を浮かべたが、気を取り直してうなずいた。
「は、はい。なんとかやってみます」
ユミエルは波打ち際に走り寄り、砂浜にひざまずいて両手を合わせ巨大生物にテレパシーを送り始めた。引きつった頬笑みを浮かべて必死にやつに訴えかける。
「あ、あの、何でもないんです……そのままお帰り下さい」
「小夜もお手伝いする~」
小夜ちゃんがユミエルのそばに駆け寄り、同じように砂浜にひざまずいて巨大生物に向けて語りかけた。
「魔神様、どうかおうちへお帰り下さい」
どっちの祈りが通じたのかは分からないが、巨大生物は「ガウッ」と小さな、うなずくような声を上げて、そのまま海の中へ消えて行った。その全身が水中に沈み影も見えなくなるまで、俺たちは海面を見つめ続けていた。