俺の彼女はインベーダー
それから俺たちは全員、巨人像が彫られた崖のそばの砂浜に座り込んでやっと一息ついた。いや、今日一日で特撮映画数本分の主人公の経験をしたような気がするほど疲れた。珍しく小夜ちゃんがくっついて来ないと思ったら、サチエルとユミエルが小夜ちゃんを両側から挟みこむようにして何かを話していた。俺はそちらの方へ近づいて訊いた。
「二人とも何をしてるんだ?」
サチエルが答えた。
「はい、あの時小夜ちゃんが歌った不思議な歌を習っておりましたの」
ユミエルが小夜ちゃんの頭をなでながら言った。
「それで、これからわたしとおねえさまで歌ってみようと思いまして」
俺はあわてて止めようとした。
「馬鹿、よせ。またさっきのやつが戻ってきたらどうする?」
だが小夜ちゃんは俺の心配を否定した。
「兄様、大丈夫だよ。謡い姫じゃない人がお歌を歌っても、魔神様には聞こえないから」
「ほ、本当に大丈夫なのか?」
小夜ちゃんが元気にうなずいて保証するので、サチエルとユミエルはその場で立ちあがって声をそろえてあの歌を朗々と歌い始めた。その歌声は予想外に美しかった。この二人音楽の才能でもあるのか?
最後に二人が片手を空に伸ばして最後のフレーズを高々と歌い終わった時、桂木二尉がまた「あら?」と声を上げた。双眼鏡で空の一点をのぞいている。俺はあわてて二尉に声をかけた。
「どうしたんですか?やっぱり、あの巨大生物が戻って来たんじゃ?」
「二人とも何をしてるんだ?」
サチエルが答えた。
「はい、あの時小夜ちゃんが歌った不思議な歌を習っておりましたの」
ユミエルが小夜ちゃんの頭をなでながら言った。
「それで、これからわたしとおねえさまで歌ってみようと思いまして」
俺はあわてて止めようとした。
「馬鹿、よせ。またさっきのやつが戻ってきたらどうする?」
だが小夜ちゃんは俺の心配を否定した。
「兄様、大丈夫だよ。謡い姫じゃない人がお歌を歌っても、魔神様には聞こえないから」
「ほ、本当に大丈夫なのか?」
小夜ちゃんが元気にうなずいて保証するので、サチエルとユミエルはその場で立ちあがって声をそろえてあの歌を朗々と歌い始めた。その歌声は予想外に美しかった。この二人音楽の才能でもあるのか?
最後に二人が片手を空に伸ばして最後のフレーズを高々と歌い終わった時、桂木二尉がまた「あら?」と声を上げた。双眼鏡で空の一点をのぞいている。俺はあわてて二尉に声をかけた。
「どうしたんですか?やっぱり、あの巨大生物が戻って来たんじゃ?」