俺の彼女はインベーダー
 麻耶が話を引き取る。
「ねえ、ラミちゃん。あなたの星から送られて来る物って、あのちびっとの金だけなの?他にはなんかないの?」と麻耶が訊く。
 ラミエルは、麻耶の肩からパーッと顔を上げて、こっちがびっくりするような大声で叫んだ。
「忘れてました!金の他に月に一回、一個だけ兵器が転送されて来ます。」
 俺は今度は本気でびっくりした。
「へ、兵器だと!一体どんな兵器なんだ?」
「それが……何が送られて来るのかはわたしにもその時にならないと分からないんです。ただ、あの赤い球体が転送出来るのはせいぜいこの星の単位で……ええと・・・」
 とそこまで言ってラミエルハはシャツのポケットから銀色の丸い平べったい物体を取り出した。俺にはどう見てもコンパクトのように見えた。
 が、コンパクトと同じようにパカッと開いてみるとなんとそれは携帯用コンピューターだという。何でも現在の地球にある最高レベルのスーパーコンピューターの数十倍の性能だそうだ。
 ラミエルは手の平の上の部分のパネルを指で何回かちょんちょんと叩き、そうすると上に向けて開いている面、コンパクトなら鏡がはまっている面に光で出来た文字がサッと走る。見たことのない文字だ。きっと彼女の星の文字なんだろう。
「えっと……この星のサイズで一メートル四方の大きさ……が限度ですね」
 ううむ、最大で一メートル四方か。兵器と言ってもその程度の大きさじゃ威力も知れたものじゃないんだろうか。いや、彼女の星の超テクノロジーなら大きさは問題じゃないかもしれない。
 ここでまた麻耶が口をはさむ。
「で、その兵器っていつ来るのよ?」
「金が転送された翌日です。あっ、じゃあ今日だ。忘れてました」とこともなげに言う宇宙人。忘れんな!そんな重大な事を。
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