俺の彼女はインベーダー
一分間ほど、何とも言えない深い感動を堪能して、俺は肝心な事を聞いていなかったのに気づいた。
「で、これからどこへ行くんだ?」
麻耶は澄ました顔でこともなげに答えた。
「もちろん東京よ。まず手始めに日本を征服するの。これからヤマトが来るから降服しなさいってメールをネットカフェから首相官邸にもう出してあるわ」
用意のいい奴だな。俺は半分呆れながらも、心が高揚してくるのを抑えきれずにいた。
俺だって男の子だから子供の頃、戦争ものの映画やマンガや戦略ゲームに夢中になった経験はある。でも今は作り物やコンピューターグラフィックじゃない、本物の戦艦に乗って動かせる立場なのだ。
てな事を考えていると、遠くの方から小さな点に見える物が空から近づいてきた。音からしてヘリコプターらしい。近くまで来ると機体の横腹に「海上自衛隊」と書いてあるのが見えた。
どうやら麻耶の送ったメールが効いたらしい。受け取った方は単なるいたずらだと最初は思っただろうが、実際に巨大戦艦が突如日本近海に出現したのであわててヘリを飛ばした、というところだろう。
ヘリから拡声器で警告が発せられた。
「そこの国籍不明船、ただちに停止しなさい。繰り返します、ただちにその場に停止しなさい」
日本語の後に、どうやら英語、韓国語、ロシア語、中国語で同じ内容の警告を発したらしかった。まあ、どこの国の船だか自衛隊に分かるわけはないからな。まさか自分の国の戦艦がよみがえったとは、すぐには信じられないのだろう。
もちろん俺達はそれを無視して最大スピードで東へ、つまり東京湾目指して突き進む。ヘリの数が一つまた一つと増えて行き、そのうち上空をジェット戦闘機が時たま横切るようになった。警告の音が段々大きく、かつ威圧的になっていく。
「そこの不審船、ただちに停船せよ。これ以上のわが国の領海での航行は日本国への侵犯行為とみなし、場合によっては必要な措置をとる!」
「で、これからどこへ行くんだ?」
麻耶は澄ました顔でこともなげに答えた。
「もちろん東京よ。まず手始めに日本を征服するの。これからヤマトが来るから降服しなさいってメールをネットカフェから首相官邸にもう出してあるわ」
用意のいい奴だな。俺は半分呆れながらも、心が高揚してくるのを抑えきれずにいた。
俺だって男の子だから子供の頃、戦争ものの映画やマンガや戦略ゲームに夢中になった経験はある。でも今は作り物やコンピューターグラフィックじゃない、本物の戦艦に乗って動かせる立場なのだ。
てな事を考えていると、遠くの方から小さな点に見える物が空から近づいてきた。音からしてヘリコプターらしい。近くまで来ると機体の横腹に「海上自衛隊」と書いてあるのが見えた。
どうやら麻耶の送ったメールが効いたらしい。受け取った方は単なるいたずらだと最初は思っただろうが、実際に巨大戦艦が突如日本近海に出現したのであわててヘリを飛ばした、というところだろう。
ヘリから拡声器で警告が発せられた。
「そこの国籍不明船、ただちに停止しなさい。繰り返します、ただちにその場に停止しなさい」
日本語の後に、どうやら英語、韓国語、ロシア語、中国語で同じ内容の警告を発したらしかった。まあ、どこの国の船だか自衛隊に分かるわけはないからな。まさか自分の国の戦艦がよみがえったとは、すぐには信じられないのだろう。
もちろん俺達はそれを無視して最大スピードで東へ、つまり東京湾目指して突き進む。ヘリの数が一つまた一つと増えて行き、そのうち上空をジェット戦闘機が時たま横切るようになった。警告の音が段々大きく、かつ威圧的になっていく。
「そこの不審船、ただちに停船せよ。これ以上のわが国の領海での航行は日本国への侵犯行為とみなし、場合によっては必要な措置をとる!」