君の手

「館沢さん?これ、あんたのお気に入りシャーペンでしょ?
なんで、そういわなかったの?あたし、もらっていいよね?」

いやだ。

――――・・・っガシ!

風戸さんは
私の胸倉を掴んだ。

「何とか言いなさいよっ!!」

「ねぇ!!いつもいつも無言でさぁ。
何考えてんの!?」

言いたい。

違うって。

言いたいのに…。

口が開かない。


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