超短編「蛙が人魚に恋をした」
夏実
この時期に珍しく転校生…。





現れたのは…。
「龍崎夏実です。沖縄からきました。」






おぉショートヘアに小麦色の肌…。
「趣味は…。サーフボードです。」






まじタイプ…。






「健太。鼻の下伸びてっぞ!」






「せんせー健太が龍崎さん見てのびてまーす。」





「ちょっ!おま!何行ってんだ!」






龍崎を見るとにっこりと見ていた。
うわっ…。ヤべ…。
赤くなる。






その日から沖縄美人で学校は盛り上がっていた。





夕方…。またプールに行く。
誰もいないプールで泳ぐのがまたたまらなかった。






ぱしゃん!






先客か?






驚かせようと飛び込み台から叫んだ。






「誰だ!」






目には白い人魚…。ロングヘアー…。顔は…。






「龍崎?」






間抜けな俺は…。飛び込み台から飛び込む準備もせず、制服のまま落下した。






どぼん!






自分がどこにいるのかわからなくなっていた。水面に上がろうと必死に泳ぐ。制服がこんなに重いなんて知らなかった。






白い影が横に飛んでいく。正確には泳いでいくだが…。俺には飛んでいくようにみえた。






気づいたらまたプールサイドにいた。






今度は人魚が見えた。






とりあえず…。
「サンキュ…。助かった。」






クスッと笑う人魚は愛らしい。






「細野君…。私の事黙ってられる?私すぐにいなくなるけど…。」






「いなくなる?」






「海に沖縄に帰るから…。」






「言うとどうなる?」






「帰りが…。私の休みが無くなる。」





「言わない。」




にっこりと笑う。
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