鎖乱ーサランー
「星野、さん」
じんわりと汗をかいてきた。
額にさっきのペットボトルを
当て、違う世界に来たような
錯覚に陥る。
『‥どうした?』
瞑っていた目をうっすらと開き、
星野さんを見た。
彼は暑くないのか、
全く汗をかいていない。
「星野さんは何歳なんですか?」
ずっと気になっていた。
スラッとしていて明らかに私よりは
年上なのはわかる。
でも見た目からしてそんなに
年が離れているとは思えない。
そのわりには
落ち着いてしっかりしていて
こんな田舎に似合わない
スーツなんて着てピッシリとしている。
『言ってなかったっけ‥?
今年で23歳だよ。』
23歳、私は18歳だから
5歳離れてるのか。
『空は‥制服着てるから
高校生だよな?
18歳くらいか?』
「あっ‥、」
そういえば私
制服着てたんだった‥
「はい‥
18です」