鎖乱ーサランー



どうしよ、



焦る私と比例するように
痛くなってくる頭。



『――ばあちゃん、
そのおにぎり、俺貰ってもいい?』


へ?


『――ん?あぁ、いいよ。貰っておくれ。』



目の前で行われている
やり取りに私は唖然とした。



「じゃぁ私は下りるから。
元気でね、お嬢さん。」


おばあさんは手を振って
電車から下りて行った。




ふと、私は見る。

さっきおばあさんに
おにぎりを貰った、彼を。



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