鎖乱ーサランー
『‥何?』
見てくんな、とでも
言いたげに私を見る彼。
「別に‥」
どうでもいいや。
私は電車にゆられながら
頭痛と闘っていた。
『―――おい』
静かだった車内に急に
聞こえてきた声に
目を開けた。
どうやら声の主はさっきの彼。
しかも私に話しかけているようだ。
「‥何、ですか?」
急に話したからなのか、
吐き気が酷くなって俯いた。
すると突然、
腕を引っ張られた。
「――っ、何!?」