鎖乱ーサランー




私の腕を掴んだのも
さっきの彼。


「―――はな、して」

吐き気で上手く話せない。



プシュー‥


電車のドアが開いて
気持ちいい風が入ってきた。



そして彼は私の腕を
引っ張って電車から下りた。




「――っちょっ『黙ってろ』

彼は私と目を合わすことなく
そう言った。




もう、どうでもいいや。



私は諦めて頭痛と吐き気に
襲われながら彼についていった。




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