鎖乱ーサランー



『ここ、座れ』



私は彼に言われたとおり、
改札を出てすぐあるベンチに座った。



彼はどうやらベンチの隣にある
自動販売気で何か買っているようだ。



『おい、』


彼の声と同時に私に
ペットボトルがふってきた。



「――お茶?」


『‥飲めよ、顔色悪い』




彼は私の隣に座った。



私のこと心配してくれたんだ‥




何か、雲に似てるね?





「―――ありがと」




雲(クモ)は私の弟。
そう、去年の今日死んだ弟。




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