たとえばの明日に花束を



「…いつまでも、一緒…」


カバーガラスが涙でぬれる。今私達、あの言葉が嘘になるかもしれない。

志紀がいなくなるのは怖い。

私の一部のように、一緒に生きてきた。



「志紀……」



胸がずきずきと痛む。

この気持ちは何?




「分からないよ……」




写真を抱きしめる。

写真の中の二人は、手をつないで、眩しいくらい笑ってた。



"笑え、天音。

何があっても俺が守るから!!"




「…嘘つき……」




笑うなんて無理だよ


だから、志紀。




早く……目覚ましなさいよ…。
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