たとえばの明日に花束を
―2.消えたキミ―
記憶
「……志紀!!よかった、目が覚めたんだ。私と麗子、心配したんだよ?」
志紀に駆け寄る。すると志紀は少しうつ向かせた顔をあげて、
「…お前誰だよ?」
そう、言い放った。
「…え…。
や、やだなぁ!!私だよ、天音。少し会わなかったくらいで忘れたの?」
ドクン
ドクン
心臓が早鐘を打つ。足が少し震えているのが分かる。
「元から知らねぇよ、お前」
「――――ッ!?」
「し、志紀…アンタ何言って…」
麗子が反論しようとする。
その言葉を遮ったのは、志紀のお母さんだった。