たとえばの明日に花束を
家の玄関で携帯が鳴った。
「……麗子かな」
ディスプレイには"麗子"の文字。
「もしもし」
通話ボタンを押して、麗子の声を待つ。
『もしもし、天音?』
「どうしたの?」
『……沢渡真綾と志紀が、付き合い始めたんですって?』
一瞬麗子が知っているのに驚いた。
「ど、どうして知ってるの?」
先の言葉を聞きたくないと思いながら聞いてしまう自分。
『……言いふらしてるの、沢渡が。
"やっぱり真綾にはぁ、あのくらいのイケメンいなくっちゃぁ♪"って』
!?
「ど、どういう意味!?」
『いい?今沢渡捕まえてるから、今すぐに教室に来なさい』
「えっ……う、うん!!」