たとえばの明日に花束を




―ダァン!!!

私が動くより早く、麗子が沢渡さんの胸倉をつかんでいた。


「麗子っ!?」

「フザケんじゃないわよ……。

志紀は大事な友達よ!!


それをあんたみたいな女に、易々とあげてたまるもんですか!!」



沢渡さんは痛そうな顔をあげ麗子を睨む。



「それが何?真綾のこの顔におちなかった男はいないのよ。

それに、志紀クンが選んだのは私なの!!口出ししないでくれる?」



志紀が選んだのは―――……





沢渡さん…。


そのことは自覚しているけど、その本人から聞くのはつらい。


「それが何?

言っとくけど志紀はねぇっ……」


「…麗子。

もういいよ、行こう?」



麗子は大きな目を見開いて私を見つめた。
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