たとえばの明日に花束を
―3.絵と夕焼け空―
絵が導く先に
ガラッ!!!
美術室の扉を開ける。クラブ生はいなくて、私一人だけだった。
急いでキャンパスを探す。
志紀は絵を見られないように、奥に隠すはず。
見られたがらない志紀の絵。
どんな悩みを抱えていたんだろうか。
「あった、埃かぶってるけど……コレ、なんだよね」
布がかかったキャンパスを引きずりだす。
いそいで布をおろして、部屋の電気をつける。
「これって……」
真っ白なキャンパスは背景を描かれず、花を持って微笑む私が描かれていた。
「……わた…、し…?」
しばらく見ていると、パサリという乾いた音が響いた。
「手紙………?」
真っ白な封筒を拾う。