たとえばの明日に花束を
「りっ、リント!!」
気がつけば飛び出していた。麗子、と天音の声が聞こえたけど気にしていられない。
出会ってまだ日数はそんなにない。
だけど、私―。
バカね……、リントが告白されたのを見てたまらなく怖かっただなんて。
「リント」
「れっ、麗子さん…」
「あんたが好き」
我ながら可愛げない告白だった。
リントはまた目を見開いた。
ウィッグは外していて、茶色のショートヘアでかっこよかった。
「…でも僕ら、出会ってそんなに日にちは経ってませんし」
「ただの気の迷いですよ…」
その言葉に私は、哀しくなって叫んだ。
「好きになるのに日数は関係ない!!
ならリント、一か月待つわ。
その間変わらず接して……それで私が告白しなかったら、気の迷いだといくらでも軽蔑しなさいよ!!」
かくして一カ月、私はリントを想うことになったのだ。