たとえばの明日に花束を
崩壊
手術中のランプが消え、扉が開く。
「…一命は取り留めました。
しかし、目覚めるか…どうかは…」
麗子が私の肩をそっと叩く。
振り返って見えた麗子も、辛く悲しそうな顔だった。
「天音ちゃん麗子ちゃん、今日はありがとうね。もう夜も遅いわ、親御さんも心配するし帰りなさい?」
「でもっ……」
「…私達も今、誰かの顔を見るのは…辛すぎるの」
「………分かり、ました。」
もうあたりは漆黒に包まれていた。
麗子と私は無言で帰路を歩く。
「…ねぇ天音」
「ん…?」
不意に麗子が口を開いた。