Blue Spring -青春-
物心をついた時には、ラケットを持っていた。

両親の趣味がテニスもあり、家族でテニスコートを借りてよくしていた。


中学は硬式がなかったため、ソフトテニス部に入部した。

ちょうど私の代は、テニスの素質がある子が多かったみたいで、全国大会出場が出来た。


『ごめんね。挨拶してなかったね。私、小泉ハルカ。よろしく。市川さんが全中かけた試合で戦った明野原中出身なんだ』


『明野原の小泉…あぁ』


思い出した。


あの試合、彼女と直接戦ってないが、うちの大将ペアに勝った前衛の選手。

綺麗なスマッシュで、大将ペアにストレートで勝っていた。



『…あれ?明野原って県外だよね。うちよりもっと強い高校行けるじゃないの?』


『監督に引き抜きされたの。今アニキが、うちの軟テ(ソフトテニス)にいて、監督からどうしても来てほしいって言われて。それより、市川さんこそ、なんでうちなの』


< 4 / 111 >

この作品をシェア

pagetop