Blue Spring -青春-
バン バン

真っ黒い空のキャンパスに、鮮やかな色の花火が上がっていた。
私達は会場になっている川岸から少し下流の岸で花火を見ていた。


『最初からそのつもりだったら言ってよね』

『悪い。なんかわざとらしいって思われるのも嫌だからさぁ』


前からゆきと君がハルカを気になっているのは知っていた。
普段、女子とは話さないゆきとが、ハルカとはよく話をしているのを見ていたから。


『花火…』

『…花火?』

『花火が終わったら夏も終わるなんて寂しいよ』

ソウ君が言った。

明日からまた、普段の生活が始まる。


今年の夏が濃かった分、夏休みが早く終わった気がする。
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