Blue Spring -青春-
『すいません』

花火が終わり、駅までの道は人が溢れていた。

私は、慣れない浴衣で人並みに埋もれながら、
ソウ君の後を歩いていた。

『市川、大丈夫?』

『ごめん』

『俺らまではぐれそうだから、手かして』

『…えぇ?』

『この方が安心だから』

そういって、ソウ君は私のてをつかんで歩き始めた。

わたしは、ソウ君に繋がれている手が熱かった。男の子と手を繋なんて、いつぐらいだろう?

そんなことを思いながら、駅まで歩いた。

5分まで 道のりが、凄く長く感じた。

ドキドキが止まらなかった。

この時、ソラ君も同じ気持ちだったらいいなぁと思った。
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