3つのKiss
「付き合い始めて一周年記念と…」


「と…?」


俺はそっと箱の中の指輪を取り出すと


「プロポーズ…かな」


そう言いながら、
紗弓の左手の薬指にリングをはめた。


「えっ…」


紗弓はちょっと、驚き気味。


「紗弓はもう16歳だし、俺も18歳。
高校をお互い卒業したらさ…俺と、結婚してくんない?」


「!」


正直早いとは思う。

けど、どうしても紗弓と一緒にいたいと思ったから。

愛していたから。


「どう?」


「…うん」


紗弓は小さく、頷いた。


「!…紗弓、」


「?十雅…」


紗弓の名前を呼んで
こっちを向かせる。


そして、唇を奪ってやった。


「!ちょ、不意打ち!!」


「いーじゃん。別に」


唇を話した瞬間、
紗弓は口元を押さえて大反論。


「絶対、幸せにしてやるから」


「!…ありがと」


お互いに笑い合う。


そしてギュッと、紗弓を抱きしめた。


「愛してる。紗弓」


「…私も、愛してるよ。十雅…」


その時、お互いの温もりを感じることが出来た。


点きはじめた街灯に照らされて、
シルバーリングがキラキラと輝いていた。





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