星の船 ー淡い月の鍵ー
「ん?どうしたの?柊くん」

「あ、いや」

それは一瞬のこと。
すぐに元の柊に戻る。

だから、流羽は気付かなかった。



「何かねー、影しょってただならぬ雰囲気なんだ〜。
これはどこ行くのか楽しみ〜!」


「え?流羽、その男の後つける気!?」

「うんっ」

とーぜん、という様に流羽は、元気よく笑顔で返事をする。


「なんか道ばたで遇った猫を追いかける、みたいなさ、ワクワク感があると思わない?」 

「…なるほど、いいよ。流羽が楽しいのは俺も嬉しいし、」


 だが…と、柊は額に手を当て、もの凄く複雑そうに、

「…俺が流羽と一緒の個室、というのはなぜかな?」

「素敵な部屋でしょ?何かレトロでいいよね」 


柊の問いにも流羽ははしゃいでいた。





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