星の船 ー淡い月の鍵ー
柊の異変に戸惑う流羽。

だが、その背後、
「お、おまえらぁ、」

銃を構え、男が立ち上がる。

「げほっ、うぐっ…」

(柊くん!)

流羽は、うずくまる柊を庇う様に抱きしめ、
眼を瞑った。


「ぐあっ」

ガシャン、カラララ

次に聴こえたのは、
銃声ではなく、男のうめき声と何かが落ちた音。


おそるおそる、流羽は眼を開ける。


床にはあの男が持っていた銃、
そして、

大柄の男の腕を捻り上げる、



あの黒いコートの男がいた。




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