星の船 ー淡い月の鍵ー
少し憶い出し、
流羽はザワ、と震えた。

「早いとこ、彼を休ませてやれ」


流羽の気持ちを遮るかの様に黒い男は促し、
別の車両に繋がる扉に手をかけた。
すると、

少しだけ振り返り、

「彼は君を守るため、無茶をした様だ」


一言告げると、扉の向こうへと、姿を消した。



男のその言葉に、
流羽は柊を抱える掌に、


力を、

心を、込めた。





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