星の船 ー淡い月の鍵ー

 ♢

静かな夜。
下弦の月がゆっくり、遠くーー


車窓の景色が映し出す。
柊は窓枠に肘を掛け、ソファに深く座っていた。


遠く、
遠くを見つめる柊の眼。


月明かりに柊の綺麗な横顔が照らされ、流羽はドキリとした。

持ってきたあたたかいココアを零しそうになる。


「流羽」

気付き、微笑む柊。


「あっ、えっと…。はいココア、買って来た。…体調は、どう?」

顔が赤くなってる様なきがして、
流羽はうつむき、ココアを差し出した。




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